審美歯科の4つの治療とは|費用の相場も合わせて紹介!
- HEIWA MED
- 2022年4月1日
- 読了時間: 9分
更新日:2022年10月13日

近年「審美歯科」という言葉をよく聞くようになりましたが、具体的にどのような治療や施術がされるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
審美歯科は見た目を整えることを目的としているのに加え、実は虫歯予防や身体の健康にもつながっています。
ここでは、審美歯科に分類される4つの治療内容やメリット・デメリットについて詳しく解説しています。費用の相場についても合わせて解説しているため、審美歯科について気になっている方は参考にしてください。
審美歯科は歯や口の見た目のキレイにする治療
審美歯科とは、口の周りの見た目を改善することを目的とした治療を言います。歯科の治療と聞くと、虫歯や歯周病・咬み合わせが悪いなどのトラブルを治すためのものですが、審美歯科は見た目の改善を目的としている部分が大きな違いです。
患者さんの「白く形の良い歯にしたい」「歯並びを整えたい」などの希望を基に治療が行われています。
審美歯科では具体的にどのような治療が行われているのか、次に説明します。
審美歯科の種類は主に4つ
審美歯科の種類について、以下の表を参照ください。
施術の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
ホワイトニング |
| 歯科医院に通院するタイプと自宅でできるタイプがある | ホワイトニング剤が歯茎や唇に付着すると痛みが出る場合がある |
ルミネアーズ | 歯に薄い膜を取りつけ、歯を白くしたり歯並びを整える |
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審美歯科矯正 | 歯を削ったり、被せ物をすることで見た目を整える |
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インプラント | 歯茎の下の骨にクギを打ち、義歯を装着する |
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更に詳しい内容について、以下に解説します。
ホワイトニング
ホワイトニングとは、歯科医院だけが扱える薬を使用して、本来の歯の色よりも白くする治療です。
ホワイトニングに使用される薬剤は、過酸化物が主成分であり、一般的には漂白や消毒に使われています。
扱い方によっては歯茎や唇に触れると痛みを感じる場合があるため、慎重に取り扱わなければなりません。
そのため、ホワイトニングのプロフェッショナルとして「ホワイトニングコーディネーター」という資格を持っている歯科衛生士が施術します。
ホワイトニングコーディネーターとは、日本歯科審美学会が定めている資格であり、以下のように定義されています。
日本歯科審美学会では歯科医師、歯科衛生士を対象に、歯のホワイトニングの講習制度を設けて専門的な正しい知識と技術の普及に努めております。また当学会の試験に合格した会員歯科衛生士は「日本歯科審美学会ホワイトニングコーディネーター」と認定し、認定後さらに研鑽を積んで3年で資格更新することを義務付けております。
ホワイトニングには以下の種類やメリット・デメリットがあります。
ホワイトニングの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
オフィスホワイトニング |
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ホームホワイトニング |
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デュアルホワイトニング |
| オフィスとホームの両方のよいところが実感できる |
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ウォーキングブリーチ |
| ホワイトニング効果が長持ちする |
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それぞれについて、詳しく解説します。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行われるホワイトニングです。歯科衛生士が行うホワイトニングであり、薬と専用の器具が使われます。有資格者しか取り扱うことができない薬を使用するため、1回の施術で効果が実感できるのが特徴です。
一方で来院が必要なことや、色戻りしやすいなどがデメリットとして挙げられます。
オフィスホワイトニングは、すぐに効果を出したい場合や有資格者の施術で安全に行いたいと考えている人におすすめです。
ホームホワイトニング
自宅で行うホワイトニングです。専用のマウスピースに薬を入れ、30分〜2時間装着することでホワイトニングの効果が得られます。
色持ちがよく、全体の歯がホワイトニング可能なのが特徴です。
一方で、ホワイトニング効果が得られるまで約1〜2カ月かかることや、薬の準備やマウスピースの装着など一連の作業を自分で行わなければならないのがデメリットと言えるでしょう。
忙しく通院が難しい人や、ホワイトニング効果を長く保ちたい人におすすめの方法です。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行う方法です。短期間で効果が得られ、白さが長持ち(半年〜1年程度持続)します。
デメリットは両方のホワイトニングを行うことから、費用が高額になることです。また歯科医院で薬を使用しているのに加えて自宅でも薬を使用するため、歯茎に痛みが出る場合があります。
即効性と持続性を得たい人は、デュアルホワイトニングがおすすめです。
ウォーキングブリーチ
神経がなくなり変色した歯に行うホワイトニングです。歯の内側に漂白剤を入れてホワイトニングを行うため、神経がある歯には使用できません。
漂白剤を歯の内側に注入し、密閉することでホワイトニング効果が長持ちするのが特徴です。ただし、1〜2週間のおきに漂白剤の交換のため通院が必要になる場合があります。
神経を抜いて変色した歯や歯茎をホワイトニングしたい人におすすめの方法です。
ルミネアーズ
ルミネアーズは薄い膜を貼りつけ、歯並びと色を改善する治療法です。
歯を削ることなく、薄さ0.1㎜程度の膜を歯に取り付けることで治療が完了するため、通院回数は2回で終了することが多いです。
虫歯予防効果もあるため、最先端の審美歯科治療として注目されています。
従来はラミネートベニアと言われる治療法がありましたが、歯を削ることや貼りつける膜による違和感、寿命が短いなどのデメリットがあり、現在はルミネアーズが主流になってきています。
軽微な歯並びの不整や、歯ぎしりなどで短くなった歯に適応される治療内容と言えるでしょう。
なかには、歯を削らずに膜を取り付けたことで厚みが増し、違和感があると感じる人もいるようです。
また自歯とは色の違いが出ることから、前歯や上の歯だけなどの部分的な施術には向きません。
歯科矯正
一般的な歯科医院で行われる歯科矯正は、歯並びが悪くなってしまった原因を探して治療し、咬み合わせや歯並びを改善していきます。
一方で審美歯科治療における歯科矯正は、歯を削る・被せ物をするなどの手を加えて「見た目を整える」ことを目的とした治療になります。
歯並びを治したいと思う理由や目的を明確にして、矯正にするか審美治療にするかを歯科医師と相談しましょう。
インプラント
インプラントは顎の骨にクギ(インプラント)を埋め込み、義歯を取り付ける治療方法であり、審美歯科にも利用されています。
差し歯の場合は、金具をしっかり取り付けるために両隣の歯を削りますが、インプラントは健康な歯を削らずに装着できるのが最大のメリットです。
歯を失うと、噛む力が弱くなるため顎の筋肉が痩せてしまい、ますます噛みにくくなってしまいます。しかしインプラントは顎の骨にクギを打ち込み義歯を装着するためしっかり噛んで食事ができることから、噛む力が衰える心配がありません。
ただし、インプラントは歯茎を切開して顎の骨にクギを埋め込むため、手術に相当します。施術後の痛みや腫れがあること、定期的に通院して経過を見ていかなければならないことがデメリットと言えるでしょう。
歯を失っている場合や、歯に亀裂が入っている人は、審美歯科でインプラント治療を受けることで綺麗な歯並びに改善できるでしょう。
審美歯科の費用の相場は?
基本的に審美歯科は保険適用されないため、全額自己負担となります。
審美歯科は見た目を整える、機能性をよくすることを目的としており、保険制度の対象となるケガや病気の治療とは異なるためです。
歯科医院によって自由に料金設定ができるため、具体的な費用は一概には言えませんが、目安として以下の料金設定をしているところが多いようです。
治療内容 | | 相場 |
歯並び矯正 | ワイヤー矯正 | 60万~150万円 |
歯並び矯正 | マウスピース矯正 | 40万~110万円 |
ルミネアーズ(ラミネートべニア) | | 9万5千~15万円 |
ホワイトニング | オフィスホワイトニング | 3万3千~4万円 |
ホワイトニング | ホームホワイトニング | 2万5千~3万3千円 |
インプラント | | 30万~35万円 |
歯並びの矯正は、ワイヤーの中でも素材がメタル製や目立ちにくい透明のもの、上下セットで行う場合やどちらかのみ行う場合などで料金に差が出ます。
その他、治療前のカウンセリング、使用される素材・薬の種類、保証期間の長さなどにより費用が異なります。
費用に相当する治療や保証となっているかを見定めて、歯科医院を選びましょう。複数の歯科医院に問い合わせをして、費用の目安や保証などを確認するのがおすすめです。
また、数回の通院や今後メンテナンスに通うことになるため、自宅や職場から近いなどアクセスがよいところを選ぶのも選択肢のひとつとして考えておきましょう。
審美歯科の治療は保険がきくのか?
先述した通り、審美歯科の治療はケガや病気によるものではないため保険適用にはなりません。
インプラントは、一定の条件を満たす場合に限り保険が適用されることがあります。患者さん側には病気や事故などにより、顎の骨が一定以上欠損している場合であり、病院側には入院設備があることや医師の口腔外科としての経験が豊富など、細かい条件が設定されています。
この条件に当てはまり、インプラントを保険適用で施術されることはほとんどないと言えるでしょう。
ただし、審美歯科は医療費控除の対象になります。確定申告の際に手続きができるよう、支払いの際にもらう明細書を取っておきましょう。
審美歯科の3つのメリット
審美歯科のメリットを3つ紹介します。
● 見た目が美しくなる
● 身体が健康になる
● 口の中のトラブルを予防できる
見た目が美しくなる
審美歯科の最大のメリットです。歯並びがきれいに揃い、白く見えると、相手に清潔感を与え好印象を持たれやすいでしょう。自然と笑顔になり、表情も明るくなります。
特に飲食店で働いている人や、サービス業に従事している人はお客様に良い印象を持ってもらえるよう、見た目も意識しなければなりません。
審美歯科で歯並びを矯正したり、ホワイトニングで歯の黄ばみを取り除くことで好印象を持ってもらえるのでしょう。
身体が健康になる
歯並びを矯正することで噛み合わせが改善し、食べ物が適切に咀嚼できるようになります。
よく噛むことで食べ物の消化がよくなること、満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防止し肥満予防につながります。
噛むことは脳への刺激にもなり、学習能力の向上や認知症予防にも効果的です。
審美歯科で歯並びを矯正することで、身体の健康にもつながります。
口の中のトラブルを予防できる
歯並びが悪いと歯の隙間に食べかすが溜まり、虫歯や歯周病の原因になりかねません。
審美歯科で歯並びを矯正することで、歯みがきが行き届くため、口の中のトラブルが予防できます。
また、治療内容によっては定期的な通院が必要な場合があり、適宜口の中を診てもらうことで万が一トラブルが発生しても早期に発見できるでしょう。
審美歯科の2つのデメリット
審美歯科のデメリットについて、以下の2つがあります。
● 費用が高額
● 複数回にわたり通院が必要になる
それぞれについて詳しく解説します。
費用が高額
審美歯科の最大のデメリットは、費用が高額になることでしょう。通常歯科医院で行う治療は、保険適用されるものが多く、割合に応じて2割や3割の自己負担で治療が受けられます。
しかし審美歯科で行われる治療は、保険制度に適応されないため全額自己負担になることから、費用が高額になりがちです。
複数回にわたり通院が必要になる
審美歯科は複数回通院しなければならない治療が多く、さらに定期的に通院が必要な場合もあります。
ホワイトニングは通院タイプだと1回でかなりの効果が得られますが、長続きしないため再び通院が必要です。
ルミネアーズは膜の作成と、装着時の最低2回は通院が確定しています。インプラントや歯並びの矯正は、定期的なメンテナンスが重要であるため、複数回の通院が必要であると認識しておきましょう。
まとめ
審美歯科には、どのような見た目にしたいか、目的に応じてさまざまな治療方法があります。
見た目を整えることが最大の目的ではありますが、歯並びの改善によって虫歯予防が期待できたり、咬み合わせが改善して健康状態を維持することも可能です。
一方で費用が通常の治療よりかかることや、複数回の通院、定期的なメンテナンスが必要な場合もあります。
「歯を白くしたい」「歯並びを整えたい」など、目的を明確にして歯科医師と相談しながら最適な治療方法を探しましょう。
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